消された煙草
床にいるのは、いや、あるのは……血まみれになった女。
床に裸のまま仰向けになって、事切れている。
その腹、太もも、腕…果ては下腹部にまで傷痕がハッキリと見てとれた。
しかもとどめだと言わんばかりに胸に突き立てられた包丁が、まだ乾ききらない赤黒い液体でヌメヌメとした光を放っていた。
「なんだよ…これ……マジ有り得ないだろ……」
私はただ、血に染まった見知らぬ女をベッドの上から見下ろすことしか出来なかった………。