消された煙草
戸惑う私に、彼女は尚更苛立ちを増した様子で声高に叫ぶ。
「考えたことないの?!あなたが何故いつも私を満足させられないのか?!」
「それは……」
言葉に詰まった。
そう、初めて彼女が私のベッドに潜り込んで来た時から数回。私は一度も彼女を満足させてあげられていなかった。
「それは…私が上手くできなくて……」
「違うわ」
彼女は指に挟んだ煙草を灰皿で押しつぶした。
そして、私に鼻先が触れるほど近付いて笑った。
目の前の薄いピンクの唇が動く。