消された煙草


プルルルル……!


静寂を切り裂くような電話のコール音に、ビクリと体が震えてしまった。
ベッドの脇にある自分の携帯電話の音だった。


プルルルル……。


思わず床の女を見てしまう。……起きるわけないのに。


プルルルル……。


とてもじゃないけど、出る気にはならなかった。
今電話なんかに出たら、まともに話せる余裕なんて、ない。


切れろ、早く切れろ。


私は電話を睨むようにして見ていた。





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