消された煙草
プルルッ……―――
不意に鳴り止んだ電話は、再び部屋の中に沈黙を呼び戻した。
私はフッと短く息をもらし、再度思考を巡らせた。
この女はどう見たって殺されている。他殺だ……私が殺した?
いや。
そんな馬鹿な…いくらなんでも人一人殺したなら記憶に残っているはず……。
そう思った時。
再び静寂は破られた。
プルルルル……。
クソッ!一体誰だ!!
私は自分の置かれている状況が飲み込めない苛立ちから、舌打ちをして携帯電話に手を伸ばそうとした。
しかし。
「なっ?!……なんだこれ……」