HONEY HUNTER
「だいたい蜜はうぶ過ぎなんだよ、話もろくに出来ないし」

「あ、でもね今日は先輩と喋ったよっ!!//」

奇跡だ、奇跡にしか思えない!
私はさっきのシーンを思い返した。





『観客席から見えたよ』





ドゴッ

「痛い痛い痛い痛いっ!!(泣)」

「なんだーその『思い出にひたってます』みたいな表情は」

「してないしてない!そんな顔してない!!(汗)」

あー・・・せっかくの先輩の笑顔が・・・

「もういっその事、告白しちゃえば?」



 こ く は く ?



「誰がっ!!(泣)」

「もしかしたら当たりかもよ、そのまま付き合っちゃったりして」

「や、止めてよっ!」

そ、そんな田沢先輩は誰からもモテてるのに。
私なんかに気があるはず―――――

「まぁ、良いや。蜜が好きな時に告れば?」

「う、うん・・・」

なんだか、鼓動が早まっていくばかりで。
進展出来ない。

これは、若さゆえなのだろうか。

「でもさぁ、あんまりボケっとしてっと」

「え?」



「先輩、取られちゃうよ?」



「・・・それは嫌だっ!!(泣)」

先輩が取られるっ!?
た、確かに毎日ありえないほど告白されてるってのは聞いた事が・・・

「よし、そうこなくちゃ」

黒名は私に赤い布を一枚渡してきた。

「な、なにこれ」

「ん?お守り」

「ぇ、え、な、なんで」

「馬鹿じゃん、恋愛祈願のためでしょうが。あ、中見ちゃ駄目だよ」

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