HONEY HUNTER

受け止める強さ

私達がいる一本道は、ただ終わりが無くて。
止まれなくて、途中で走る。

どこまで行けるか試してみたくて、ただ走る。

「・・・え?」

気付かないなんてありえないから、驚くんだ。

目をつぶって正気かどうかを確かめて。
これが答えなら、教えて。

「あ」

君はどうしてここにいるのかを。


 HONEY HUNTER
  受け止める強さ


ガラッ


「・・・え?」

倉庫を開けると、そこには。

「あ」

そこには。



「入野、先輩?」



「おう、三年の蜜ちゃん?」

いや、そうですけど。
なぜ先輩は、ここにいるんでしょうか。

「な、なんでココに先輩が・・・」

「開けてくれてありがとうねっ!!俺、倉庫に入ってテニスのネットしまってたら勝ってにドア閉まっちゃってさぁっ!全く笑えるよなぁー!!」

「え、じゃあずっとココにっ?!」

「そーそー(笑)」

こ、この倉庫にっ?!
ていうか先輩、笑えませんよそれっ!!

「あ、ていうかなんで私の事・・・」

「おー、そりゃあ知ってるさ。蜜ちゃん、うちのクラスじゃ結構有名なんだぜ?」

「え?」

「去年の全国柔道大会には初の大会にして堂々の3位入りっ!それにちょっと前の県大会は1位だってなっ!女の子にしては凄いよなぁっ!」

そ、そんなに並びたてられると照れるなぁ。

「そ、そんな事ないですよっ」

私はサッカーボールを棚にポイっと投げ入れた。
お、入った。

「ナイッシュー♪」

「ど、どうも」

こ、この先輩なんか絡みにくい。
なんか、こんな気楽なのに・・・

どことなく威圧感が凄い。

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