HONEY HUNTER
私はそれを読んで飯島くんの方に目を向けた。

ああ。
田沢先輩、今どうしてるんだろう。

「(斜め右前・・・)」

「よっ」

「っ!」

飯島くんは、まるで待っていたかの様にこっちを向いていた。
や、ヤバ。

ずっとこっち、見てたのかな?

「(ご、ごめんねー!間違えたよー!!(泣))」

「(やー、良いよ。なんか見てて面白かったし)」

そういうと飯島くんはくしゃっと柔らかい笑顔で言った。
飯島くんも良い笑顔するんだなぁ。

「(それより、何見てたのー?)」

「(え、えと空っ!)」

「(大丈夫なのかー?また先生に見つかっぞ)」

「(平気っ!)」

あんなカッコイイ先輩が授業中ずっと見られるんなら、私は先生に怒られても全然へっちゃらだ!
逆に飯島くんの方こそ、ずっと後ろ向いてたら気付かれないのだろうか。

「(なー香花、お前スポーツ秀才だろ?)」

「(うん、そうだよー)」

「(実は俺もなんだよねー♪俺はバスケ部!)」

「(凄いねっ!私、昔バスケやってたけどボールが入らないから辞めたんだ)」

「(ははっ!それじゃあバスケじゃねぇよ!)」

ふと時計の方に目をやると、もうすぐ授業が終わりそうだった。
ヤッター!もうすぐ応援に行けるぞー!!

「(おい、香花)」

「(ん?なに飯島くん)」

「(なんか俺この前さぁ入野先輩に聞いたんだけど)」

「(うん)」





「(お前らって、付き合ってたりすんのか?)」





「(・・・)」

「(そうなのかー?)」



・・・なんの話ですかっ?!?!///



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