HONEY HUNTER
っと、またよそ見してると何回怒られる事か。
私は黒板の方をじっと見つめる事にした。

そこには沢山の英文と訳が書かれていて、さっき私が解いたやつも端っこにあった。

でも。
大きな黒板を見つめていても、頭に入らない。

「・・・はぁ」

田沢先輩しか見えない、ていうか幻だ。

「・・・」

私はまた窓に向いて、先輩を見つめるとした。





パチ





「(えっ!?)」

い、今、イマ、いま。

せ・・・先輩と、目が―――――合った。
・・・かもしれない?

「(え、ちょ、ちょっと待って)」

私は黒板を瞬間的に見て、また外を見た。
え、え、いま私、変な顔してなかった?

だ、大丈夫だったかな?

「(・・・あ、またっ)」

に、二度も目が合うって事は偶然ではないのか?
・・・いやいやいやっ。

変な期待は禁物だ。

でも・・・やっぱり先輩はカッコイイ。
先輩がいつも、今も私に向けてる笑顔。

「(ん・・・あれ?)」

私に向けてる?
え、私に?

め、目が合ってる!?

「(う、ウソォっ?)」

私は目を細めて下を見た、そこには先輩らしき(いや、あれは先輩だ)人が私にとびっきりの笑顔で大きく両手を振っている。

そして、こう、叫んで。





「香花さぁーんっ!!おぉーいっ!!」





私はみんなにバレないよう(特に先生っ)、ちいちゃく手を振った。

「(・・・あぁ、夢ならどうか覚めないでっ!)」

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