HONEY HUNTER
やっぱり、長年一緒にいたら分かる。
あ、ご飯さめちゃう。





「お、今日はお漬け物が多いね」

「良く気付いたな、この頃は漬け物をするのにはまってしまってねぇ」

「へー、いただきまーすっ」

じゃあ、このキュウリの浅漬けから・・・


ボリボリボリ


「ん、美味しい!」

「じゃろ?厳のやつ、わしの漬け物をひと口食べて苦い顔しよって・・・」

「んー」

それっておじいちゃん、お漬け物が歯にくっ付いたからじゃないの?
まぁ、あえて言わないでおこ。

「それと蜜、柔道だけど今日は二時間だと」

「えー、二時間?おばあちゃんでも一時間なのに」

「まぁ、昨日と一昨日は薙刀だったからの」

あー、なるほど。
ていうかやる気満々、この頃おじいちゃん筋肉付いてきてるし。

・・・もしかして柔道の他に違うこともやってるのかな。

「ねぇ、おじいちゃんって筋肉付いてこない?」

「蜜もそう思った?いやぁ〜、実はわしもそう思ってたんじゃよ・・・」

「どうしたんだろ」

「いや、なんかこの前『男たるもの筋肉無しでは男を語れぬ』なんぞほざきおってのぅ」

「あの歳であの筋肉は驚異的だよね・・・(汗)」

ていうか全然話し変わるけど、おじいちゃんって『厳(げん)』って名前でしょ?
で、うちの苗字が『香花(こうばな)』。

だからフルネームにすると、『香花・厳』。
響きは良いんだけど・・・全然合ってないよね。

「ごちそーさま!」

「おー、偉い偉い。いっぱい食べたか?」

「美味しかったよー、キュウリは最高だった」

そういうとおばあちゃんは凄く嬉しそうな笑顔をこぼした。
優しいなー・・・そういう所はお母さんの面影がある。

「じゃあまた着替えてくるね」

「頑張って行ってきなさい」

私はまた部屋に戻って、柔道着に着替えた。
げ、急いだら横腹が痛くなってきた。

「い、急がないと」

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