HONEY HUNTER

私という人物

泣き虫みーちゃん、泣き虫みーちゃん。

泣きべそかいて、おうちに帰る、泣き虫みーちゃん、泣き虫みーちゃん。

おかーさんもおとーさんもおじーちゃんもおばーちゃんも。

一歩、二歩、三歩と離れる。

泣き虫みーちゃん、泣き虫みーちゃん。

泣き虫みーちゃん、泣き虫みーちゃん。

負けたら泣いて、勝ったら逃げる。


 HONEY HUNTER
  私という人物


学校初日、夜は夢の中では『泣き虫みーちゃん』の曲が流れっぱなしだった。
ていうか夢の中では笑わせてくれよ。

「泣き虫みーちゃん、泣き虫みーちゃん・・・」

昔、私が砂場で遊んでた時に近所の男の子が急に『泣き虫みーちゃん』の歌を歌い始めた。
確かあれは彼が作詞作曲したらしい、上手く出来てるよね。

今でも忘れないよ(忘れられないよ)。

「ていうか勝ったらなんで逃げるんだ?」

せめて笑わせてよ。

「あ、蜜」

「黒名!」

私は黒名に駆け寄った、すると急に歌い出す。

「泣き虫みーちゃん、泣き虫みーちゃん」

「止めてぇっ?!!(泣)」

なんで急に出てくる!?
ていうか夢でも現実でも嫌がらせっ!?

「よ」

「『よ』じゃないよっ!!それ止めてって言ってるじゃん!!昨日とか夢に出てきちゃったんだからっ!!」

「ウソ、さっすが泣き虫みーちゃん」

「さっすが、じゃないよねっ?!(泣)」

この黒髪パッツンでいつも目にくまが出来てるクールビューティーは私の友達。
風谷・黒名(かぜたに・くろな)、私と同じクラス。

なぜ毎回目の下にくまがあるのかは、未だに私でも解明されていない。

「みんなして酷いよ・・・(泣)」

「あーあー、泣かないんじゃなかったの」

「これは黒名のせいでしょうがっ!!(必死)」

私は校門の前でしゃがんで半泣き状態だ。
これ、止めるのめっちゃ難しいんだからね!?

その間、黒名は私の頭を撫でる。

なーんか、ムカつくなぁ・・・!!

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