HONEY HUNTER
まぁ・・・
確かに田沢先輩のファンは多いし、この前も部活後タオル渡そうと思ったら他の人達に押されるし。
田沢先輩と会う確率はそうない。

「ぇ、でも結構会わない?」

「それは蜜がただ単に側で見つめてるだけ、それかすれ違ったとか」

「黒名ひどいっ!!(泣)」

「いやだってそうじゃん」

でも、意外に当たってるかも・・・

「つか蜜、本当に好きだよね」

「ぇえっ、そりゃあもうっ!!///」

なんでここまで先輩を好きなのは、ちゃんと理由があるのです!
日にちも、その日が何時だったかもちゃんと憶えてる。

先輩は多分憶えてないかもしれないんだけど、昔私が書類を届けに行く途中・・・



『重いなぁ・・・』

その時はまだ私の髪は短くて、結ぶにも結べないほどだった。

私は両手に山の様なほど積まれた書類を先生に頼まれた。
あーあ、今日は早めに帰るっておばあちゃんに言っちゃったのに・・・

ちょうどそこで角を曲がろうとしたら。

『きゃあっ!?』

『おっ!?』


バサァッ


『す、すいませんっ!大丈夫ですかっ!?』

『俺は大丈夫だけど、君の方が大丈夫?』

『え?』

地面を見るとそこには綺麗な書類達がバラバラになっていた。

『きゃあぁぁっ?!!(泣)』

『あーぁ・・・ゴメンな、手伝うよ』

そういうとその人は書類をイッキに集めた。
どーしよう、どーしよう・・・!!

『ごごごごごめんなさいっ!!』

私も大急ぎで書類を集めてどんどん上に積み上げていった。
どどどどーしよう・・・!!!(動揺)

『あ、ちょっとまたそんな風にしたら崩れちゃうよ』

『えっ??(泣)』

その人はさっきまで高く積み上げていた書類を二つに分けた。

『ね?』


ニコリ


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