シンデレラ物語―ラブコメ風―
彼女は、去った男達の後ろ姿を見届けた途端に地面に座り込んで俯いていた。
どうしたのかと思い、彼女の元へ駆け寄った。
今思えば、本当に普段の俺らしくなかった。いつもの俺ならシカトしていただろう。
『おい…大丈夫か?』
声をかけた途端、彼女の体がぴくんっと動き顔を上げた。
『……っ…!?』
力強い澄んだ瞳には涙が溜め込んでいた。
「あ…ごめんなさい。」
『いや…大丈夫か?』
「はい…ホントは怖かったんです…だけど、お兄さんたちも助けたくて…」
あぁ…なんて優しい子なんだろう。そう思った。
こんな、小柄な体で男達との体格と格差があるのにも関わらず彼女は立ち向かった。
通りすがりの大人達でさえ見ぬふりをしていたのに。例えば、そこに座って新聞読んでるリーマンとかな…
『頑張ったな…アンタのおかげであの男達も救われたはずだ』
「そうだといいです…ありがとうございました。」