シンデレラ物語―ラブコメ風―
【NO.7】
ヤツの頭の中。
『うわー…お城?』
後ろに身体を反って見上げても視界に入りきれないほどの大豪邸―
これが世界的有名な久遠家。
仁「おい、いつまでそこにいんだよ。さっさと来い」
『へ…?』
仁「トロすぎ…」
『いやいや…ホントにあたしがメイドするの?』
仁「あぁ。お前行くとこねぇんだろ?他のメイドは俺に気を使いすぎて疲れるし、お前のほうがマシ。」
『マシって…』
―ギギ…っ―
ヤツと話してたら目の前のおっきいドアが開いた。
「「お帰りなさいませ、ぼっちゃま!!!」」
う"…何このキラキラした笑顔を振りまく人たちは!!
初めてメイドというものを見たよ。
でもちょっと、あったかい気持ちになるね。施設出てから独り暮らしだもん…
仁「あぁ、ただいま」
『お邪魔しマス…』
すると、メイドさん達はアタシへと視線を捕らえると…
「キャー!!!仁様が女の子を連れてきたわよ!!」
「お付き合いなされてるのですか!?」
「初めてじゃないですかぁー!!私共は嬉しいです!!!」
キャーキャーと騒ぎ出すメイドさん方。
そんなに珍しいの?