幕末恋々

「土方さん、一体あの人は？」







私は土方さんに気になっていた事を聞いた。







「ん？あぁアイツかアイツはお尋ね者の坂本竜馬だ。」





土方さんはそう言うと梅さんの行った道を眺めていた。







「えぇっ！？あれが？」






私は驚いてバッと土方さんの方を見た。





「あぁ、まさかこんな所でアイツに会うとはな・・・お前本当に大丈夫だったか？」







土方さんはそう言うと私の方を見た。







「うん、大丈夫。坂本竜馬とは知らなかったけど一応名前は違う名前を名乗っておきましたし・・・。」






「そうか、んじゃあそろそろ行くか。近藤さんにも坂本の事を知らせねぇといけねぇし。ほら。」




土方さんはそう言うと私に手を差し出した。






「はい。」




私はその手を握り締めて土方さんと屯所に向けて歩き出した。