幕末恋々

涙の理由

「恋?何があった?」







あの後少しして土方さんの部屋に連れて来られ、泣いていた理由を聞かれた。







「・・・・」








私は何にも言えずただ畳に目を落としていた。






「黙っていちゃあ分からないだろう?なぁ、どうしたんだ?」








土方さんはそう言って私の頬を優しく両手で包み込んだ。








「・・・私、未来から来たのに何にも出来ない・・・。」








ポツンと私が呟くと







「?いきなりどうしたんだ?お前はそのまま俺の傍に居てくれるだけでいいんだ。それで十分なんだ。」






土方さんは首を傾げ私の事をみる。



< 171 / 431 >

この作品をシェア

pagetop