幕末恋々
何とか土方さんの体をこちらに向け、顔を上げるとそこには涙を流す土方さんの顔があった。








「土方さん、大丈夫よ・・・?貴方のしたことは間違っていないから・・・だから自分を責めないで・・・」








「責めるな・・・?そんなの無理に決まっているだろう!?俺はアイツを・・・山南さんを殺したも同然なんだぜ?それなのに・・・今日、山南さんの儀式が終わって前川邸を出たんだ。そしたらそこにいた目を真っ赤に泣き腫らした女に、「ウチの山南はんを返してッ!!」って・・・それでもまだそんな事いえるのか?」











土方さんはそう言って自分の顔を手で覆った。











「・・・山南さんがこんな土方さん見たらどう思う?山南さんは貴方なら大丈夫。新撰組を引っ張ってくれるってそう思って貴方に・・・土方さんに新撰組を託したんだよッ!?なのに土方さんがこんなんじゃあ山南さん、心配で天国に行けないじゃんっ!いつもの・・・いつもの鬼の副長はどこに行ったの!?」









私がそう言うと土方さんはやっと顔を上げた。








その顔を私は両手で包み、






「大丈夫だから・・・貴方のした事は間違っていないから・・・だからいつもの土方さんに戻ってよ・・・・」





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