幕末恋々
「くっ・・・ひっ・・・土方さっ・・・ん」









「ん?どうした・・・?恋。」









私の嗚咽交じりで聞き取りにくい声もしっかり聞いてくれるそんな土方さんの愛が私の胸に伝わってくる。










「ごめんなさい・・・こんな弱虫でごめんなさい・・・」









「謝るな・・・恋は弱くない・・・みんなの前で泣かない様に頑張ったんだろう?笑いながら帰ってきた奴等を迎えて、血の付いた着物を全部洗ってくれたんだろう?総司が言っていた。「恋さん、絶対に辛いはずなのに泣かないんですよ。だからもし、もし土方さんの所にきたらいっぱい泣かせてあげてください。」ってな。いつも俺が恋を一番分かっているって思っていた。だけど違うな、総司の方がお前を良く見ている・・・。」












土方さんはそう言って少し寂しそうな顔をした。



















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