幕末恋々
その力強い腕に私の涙が次から次へと染み込んでゆく。








雨はまだ降り続いていて私の体と土方さんの体を濡らしてゆく。










「恋、部屋に入ろう?風邪引いちまう。」








「うっ・・・えっぐ・・・ずっ・・・」










まだ泣いている私を土方さんは優しく抱き上げ部屋に入った。









部屋に入ると近藤さんが手拭を渡してくれ沖田さんと心配そうに私の顔を覗きこんでくる。










「おい、恋体拭くからちょっと離れろ。」







土方さんはそう言って私の体を離そうとするけど私はぎゅっと土方さんの着物を握り締めていた。







< 329 / 431 >

この作品をシェア

pagetop