DOLL
「DOLL、倉松様が呼んでるよ!」
クラスメイトの女子が言った。
「わかった。ありがと」
あたしはその子にお礼をいい、隣のクラスの王子のもとへ向かった。
倉松 秀哉【クラマツヒデヤ】
それがあたしの王子の名前。
王子とは…イヤ、秀哉とは幼なじみで隣の家同士。
秀哉は王子に選ばれてすぐにあたしにDOLLになるよう命じてきた。
秀哉はルックスはいいし、頭も秀才なみにいい。
だけど、ひとつだけ欠点がある。
それは、秀哉の性格はドSということ。
「秀哉、何か用?」
「学校では王子って呼ぼうね?あと、敬語つかえ」
秀哉はイラつきながら、不気味な笑顔で言った。
王子の命令は絶対…
「王子、何か用ですか?」
「よくできました。
オレ今かなり機嫌悪いんだよね。屋上行かね?」
あたしが断れるはずかない。DOLLなんだから…
「はい、わかりました」
屋上…それは秀哉が機嫌悪いときに行く場所。
あたしは覚悟を決めながら階段を上がって行く。