渇望男の潤いペット2
「え…、全には彼女がいたの?」

「うん…、婚約…者なんだ」

なんだろう…、気が重い


椿に伝えるのも、億劫な程…

「婚約…者…、そう、そっか…」

椿が寂しそうに笑った

「ごめんね、寂しい思いさせて」

「ううん、楽しんできてください」




何故か最後の笑顔が、心に引っ掛かった










「全ったら、やっと時間を作ってくれたのね!」

「ごめん、弥生…」

俺は苦笑いしていた…

何だろう、うまく笑えない

「結婚してもこの調子になりそうなら、私、婚約解消しちゃうんだからね!」

「ごめん、ごめん!」

そう言って数時間彼女の行きたい場所に付き合った



それなのに…



この人は、本当に俺が愛してる人なんだろうか…



俺はこの人を愛してたのか?

俺は本当にこの人と居て楽しかったのか?

心安らかになれるのか?

この人を美しいと思っていたか?



そんな変な自問自答が、俺の中で渦巻き始める…



何だ?



俺は、気付いてはいけないんだ…

今この瞬間が、まったく楽しくないことに…

いつの間にか、俺の中の変化に…










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