渇望男の潤いペット2
「え…、俺を?」

辛そうに椿は頷いた



「だから、貴方にこのまま抱かれることは…出来ません


…どんなに好きでも…」


椿の頬に涙が流れ落ちる



「私は、太陽のお母さんみたいにはなれない…


私は、全とずっとずっと一緒にいたいから…」



大粒の涙が頬を伝い続け、彼女の太ももに落ちていく

「ど、どういう事?…太陽のお母さん?」

「太陽のお母さんの話、覚えてますか?」

「…掟をやぶって、太陽を産んで亡くなった…山城時宗の奥さんでしょ?」

「掟を…話しました?私」

「いや…聞いてないけど…」







彼女は指で涙を拭い、大きく深呼吸をして呼吸を整える



「太陽のお母さんは、出産の儀式をしなかったんです。…それは、太陽のお父さんを愛していたから、出来なかった…」

「うん…」

「私は、儀式すらしたくない。子供なんていらない、全さえいれば…」

彼女のきれいな瞳が、俺を金縛りにさせる


美しすぎて、美しすぎて…


麻痺していく…



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