渇望男の潤いペット2
「お金がたくさん必要だったのよ…
みんなが生きていくために。今は弱い代の人がたくさんいるから…」

「弱い代?」

「そう、私達は強い代と弱い代を繰り返す
強い人は弱い人からしか産まれないし、弱い人は強い人からしか産まれない」

「ほ、本当に?」

「弱い人は強い子孫を産む。私は強い代でも、次は弱い子孫を産むから、私一人いなくても大丈夫なのよ…」

「そんな…」

「だから、ここに売られたの」


衝撃すぎて言葉が出ない…


この子をいらないって?一族中が?


お金の為に???


今の世の中でそんな事があるなんて…



「それで…、あなたの頼みって何なの?」

「………あ、ああ…あの…」

可哀想で言葉に詰まる…



「君が条件を飲んでくれたら、君の願いを一つ叶えてあげるよ…その…」



「いいですよ…」

「え?」

「こんな化け物の私で良ければ…」

「でも…どんな内容かわからないのに…」

「どうせ私はもう還るところもない…存在価値なんてない
でも必要とされるなら、そこにしか意味は無いもの…


こんな人魚の私に…」





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