Secret Prince
「俺、総統が総統で、本当に良かった。」


ミーシャは、唐突に呟いた。
独り言のような口調だが、やはり、ここは、
話に乗っておくべきなんじゃないか。























「どういう事?
 総統が総統で良かったって?」


俺は、純粋に疑問に思った。





























「総統はね、仕事の事になると、凄く冷静で、
 聡明で、統率力もあって、何ていうか、・・・・・・
 雰囲気が変わるんだ。
 今みたいに穏やか、っていうか、優しい姿は、
 たぶん、一部の奴にしか見せないんだと思う。
 俺みたいに、3歳の頃に街中を食料を求めて
 ふらふら彷徨ってて、気付いたら、アジト前に来てて、
 それで、歓迎されちゃった、とか。
 藍斗みたいに、総統の中の何かと共鳴して、
 直々に拾ってもらったり、とか。
 Appleはね、俺みたいに3歳ぐらいから入ってる奴も
 いれば、成人になって、それこそ、何度も総統に
 アプローチをかけて入ってくる奴もいるんだ。
 どこで、このグループの情報を仕入れてくるんだ、って
 いうのも、まず疑問なんだけど。
 で、総統は、その人間の内面を見極めて、入れようと
 思った奴は入れるし、下心有り有りの奴ってのは、
 その時点で追放されちまう。」
 
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