Secret Prince
いや、前触れはあった。
寮に戻ってから、悠里に、
「今日、23時、台所に来てね。」
と言われたから。
だから、時間も分かっていたわけで、
それ故に、心の準備は出来ていたつもりだった。
だけど、俺は、これ以上ないというくらい、
激しく動揺した。
































何故って、今まで知らなかった事を、
惜しげもなく教えられたから。
気付いてしまったのだから。



































俺の相棒、ビオラが、『四光』の一人である事。
そして、『四光』を統べる位置に立っている事。
その片割れである俺は、ビオラの運命を左右する術を
持っているという事。
そして、俺の選択が、未来を変える可能性がある事も。
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