Secret Prince
「・・・・・・んっ、・・・・・・先輩、・・・・
 擽った、・・・・・・・い・・・・・・・。」



普段味わった事のないような感覚。
触れられた手から、優しい感情が流れ込んでくる。
撫でられる度に、心の奥底に潜むわだかまりが、
すうっと消えていく。
理由なんかなく、俺はここにいても良いんだ、って
言ってくれてるような気がして。


























何か、・・・・・泣きそうなんだけど。
でも、泣かない。






























「先輩、・・・・・・・・もしかして、今日、
 俺がここに来るの分かってました?」



俺が、そう聞いても。




「さぁ、・・・・・・・どうだろうね。」



やんわりと、はぐらかされる。
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