Secret Prince
それから、まもなくして、雅先輩と郁斗先輩も降りて来て、
台所に勢ぞろいする形になった。
郁斗先輩、……あれから、大丈夫だったのかな。
トドメを刺したのは俺じゃないけど、……ほんの少しだけ、気の毒になった。





























「さ、皆、座って。
 今日は、新たな仲間も入る事になったし、特別サービスするからね。」



夏川先輩がそう言った途端、皆、座り出した。
流石だな、……何でそう思ったのかは分からないけど。
それはともかく、出てきた料理は、チーズフォンデュに、その他様々な具材。
ローストビーフのサラダに、デザートであろう、バニラアイス。
ドリンクは、お茶から、コーヒーから、紅茶から、果物をミックスした、
オリジナルのジュースまで、幅広く揃っていた。
とにかく、言葉では言い表せないほど、豪華だった。
俺のためにここまで、……柄にもなく、ちょっと泣きそうになった。
















「それじゃあ、親愛なる、新たな仲間に。」


と、雨宮先輩。
やはり、生徒会長だけあって、仕切る能力はあるらしい。





「乾杯!」


と、一同。
グラスの鳴る音が、耳に心地良く響いた。
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