Secret Prince
握手は社交辞令だからな……。
そう思い、俺は、その完璧さに少し躊躇いながらも、差し出された手を握った。



























ただ、何かはよく分からないが、俺は、この笑顔に違和感を覚えた。
作ったような、貼り付けたような微笑。
まぁ、この学園であと2年間、何事もなく過ごせれば、特に問題はないんだけどね。
あと、俺のやる事に干渉してこなければ、ね。




























そんな事を考えていると、不意に、彼が口を開いた。







「栗代君って事は、……第3寮だね。
 案内するから、ついておいで。」








彼は、校門を慣れた仕草で開けると、俺を校内へと促した。
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