Secret Prince
「この学園、……色々と危険だから、気をつけた方が良いよ。」





歩きながら、不意に彼が口を開いた。
意味深な口調で、更に質の悪い事に、俺の反応を試すかのように、
立ち止まり、振り返った。





























こういう時って、どう反応するべきなんだ?



























「えっと、……何が危険なんですか?」



とりあえず、俺は返事をした。
不意に話題を振られた事に対する動揺を、決して悟られたくはなかった。
それに、この学園の情報も知りたいし、ここは、こう返しておくべきだろう。




















「この学園はね、ホモやら、いわゆる、男子校特有の病気みたいなものが
 蔓延してるんだ。
 君は、かなり綺麗だからさ、……危ないんじゃないかと思って。」




「はぁ、でも、……俺はそういうの、興味ないので。」










別に、俺は、男を抱くのに抵抗はないが、自分からスキャンダルを起こす気は、
さらさらない。
忠告はありがたいが、あまり構われるのも好きじゃないから。
……とはいえ、利用する時は利用するけど、な。
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