モテるあいつ。
ふうりは顔をあげると、私のほうを見た。


「美゛樹゛ぃ゛―――――っ!!!」


と言って駆け寄ってきた。

私はふうりを慰めながら考えていた。



ふうりは(人前では)消極的で恥ずかしがりやだと思っていたけど、すっごく積極的で勇気がある。


それに比べて私は―――


なんて臆病だったんだろう。



チャンスは待つんじゃない。


作らなきゃいけなかったんだ―――!



「ふうり、私―――行ってくるね。」



ふうりはよく分かってないみたいだったけど、コクンと頷いて私から離れた。




私はバッグを引っつかんで聖斗を追う。
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