モテるあいつ。
聖斗!!


「せっ、せ…」



私は信じられなくてそこに座り込んで目をギュッと閉じた。


これが夢であるようにと願って。




改めて見ると、聖斗と同じスポーツバッグ。同じ服。


そして何よりも微妙に金がかったこの明るい茶色の髪は聖斗のものだった。


しばらくすると、サイレンを鳴らして救急車が来た。


「あの、聖斗は…大丈夫なんですか?生きてるんですか?」




救急車に乗っていた人に私は聞いた。


その人は言いづらそうに口を開いた。



「この感じだと、生存率はわずかです…。ただ、こちらでも最善を尽くしますから。」



私は後からかけつけた聖斗のお母さんと共に、救急車に乗り込んだ。
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