モテるあいつ。

幸い、聖斗は生きていた。



それも、腕2箇所、あばらのあたりに1箇所の骨折で済んだという。


でも手術の時の麻酔で、聖斗はまだ目を覚ましていない。


「じゃあ、私は帰るから――美樹ちゃん、なるべく長くいててもらえる?」


私はこくんと頷いた。



10分くらい経ったころだろうか。



聖斗の手を握っていたら、手がぴくりと動いた。



「…聖斗!?」




すぐに聖斗の目は開いた。
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