モテるあいつ。
憎みの気持ちをこめて…と言ったら大げさだけど、

とにかく狙いを定める。


シュッ


ブーメランの要領でまんがを投げる。


この距離で届くかな…という不安はあったけれど…




パコンッ!!




「あだぁっ!!!!」


走って向かっていたので、すぐにまんがは私のところへ戻ってきた。


これは聖斗によくやっている。

最初は本で頭をぶつところから始まり、

そのあと投げるようになって、

最終的に中学生くらいの頃にこの技(?)が完成した。


ちゃんと背表紙にティッシュを入れて、あんまり痛くないようにしている。

けど、やっぱり痛いみたい。




でも、向こうが悪いんだから仕方ないこと。


「うちん家の前で何してんの?ストーカーのつもり?」




腕を組みながら、怒り混じりに言った。


本当は怒り100パーセントだけどさ。






「あぁ~…」
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