眠り姫は目覚めた。
。だからこそ悠ちゃんに迷惑をかけた。今は違います。里菜を知ってしまいました。離れたくないのです。これが恋ではないでしょうか?」

和也は里菜を抱いて、

「里菜が欲しいです。どうか許して下さい!」
「…作ってしまった私にはそう簡単に拒否はできないよ。ただ、和也の意志を確認しただけだ。私はあさみを沢山不安にさせたから。だからこそ、和也には里菜ちゃんを不安に陥らす事はして欲しくないから。里菜ちゃんもそれは望まないだろう。」
「父さん…。」

母は里菜に、

「里菜ちゃんは花嫁修業できますか?…ごめんね、今の仕事を辞めて欲しいの…。和也の仕事をわかってから結婚して欲しいの。和也は…重圧は与えたくないし、図に乗る事は嫌だからあまり言いたくないけれど、いずれ、ナオキさんが社長の座を譲る時が来る。支えて欲しいから。」
「はい、構いません。私は会社でいる場所を失った落ちこぼれです。私でよろしければ、今の会社を捨てる事はできます。」
「じゃあいらっしゃい?ね?」
「ありがとうございます。」
「いらっしゃい。」
「はい。」

里菜は母の所へ行くと、

「かわいい。」

きゅっと抱いて、

「ねぇ、和也と寝た?」

里菜は赤くなる。後ろから胸を揉まれたキオク。

「だってきれいになったもの。あ、でも和也奥手だし。結婚するまで避妊は求めなさい。できちゃった婚は本当きついわ。今なら理解できる。寝る時に和也に、きちんと避妊して?とねだるの。礼儀よ。」
「は、はい…。」

父は和也に、

「母さんは何話してるんだ?」

母と里菜は居間の入口付近で喋っている。和也は、

「どうせ下ネタでしょ?里菜があんなに顔を赤らめているんだから。きっと、父さんみたいに、先に子供だけは作るな。じゃない?だいたい、避妊具使わなかった父さんだからねぇ。ま、だから僕が生まれたから感謝してますよ。」
「……。」

里菜と母は、

「ほら、親子でしょ?同じカオしてる。」
「はい。」
「ナオキさんの若い頃なんてもう同じ人みたい。息子だとわかっているからだめだけど、もし、別人ならまた恋しちゃうかもね。ねぇ、奈央?」

奈央は母に抱き着く。

「パパを好きでいてあげてよ。」

奈央は母にもたれこむ。

「…じゃあ、ママがパパに
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