眠り姫は目覚めた。
「…もう、隠すことはできませんね。」

名刺を見せる。

゛〇〇株式会社、専務取締役、平川和也゛

「和也…あなた、超お坊ちゃんなのね!」
「それ程では…。」
「正直に言いなさい。年収は!!」
「…ウン千万円です。株と土地の配当金などを合わせたら。給料は100万はないものの、それ近く、80くらいはあります。賞与は、120万くらいです。総資産額は数億円。あまり使う気はしませんし。」

里菜が唖然とする額。

「里菜、ごめん…隠していたんだ。里菜との関係を守りたかった。」
「嘘つき…嘘つき!!隠すなんてひどい!降ろして下さい!ここからだったら電車でも帰れる!!」
「…里菜、…僕は親に望まれて産まれたと思う。母は19の時にオレを身篭った。わかるか?できちゃったんだ。父は当時専務で、いろいろと悩みがあった為…というか悩みはこのネックレスにこめられてるんだけどさ。妊娠をつげた時、一瞬不安なカオをした。母はお腹にいたオレを愛していた。一人で産む為に遠くに逃げた。母とオレへの守りたい愛情に気付いた父は、母を捜した。捜し当てた時には臨月に近い状態でさ。父は母に全てを話し、プロポーズをしました。当時20の母は、祖父にとって子供。子供に会社を任せるにはいけない。虐げてね。産まれたオレは父と親子か調べられた。もちろん実の親子です。母は、会社で働くかわりに、周りに父との婚姻関係を隠すことを強要された。話すことでもあれば家族を捨てて、一生子供と会うなと。」
「ひどい…。あのお母さんが?」
「家族が生き甲斐の母は受け入れました。知れる恐れのある、うちから半径2㌔の家にすんでいるか、又はそこに親戚のある人を採用しない、解雇までして、隠した。遺産狙いの醜い女だと罵られた、弟が産まれても、わかっているだろうな?と脅されている母親を見ている。だから、お金が全てじゃないと思ってる。お金は人間を狂わせる。」
「でも、和也は私を騙したのよ。」
「言えなかった。母だって、晴れて父と夫婦だと公表できたのは奈央がお腹にいる時だ。それまで父と母はただ不倫の関係だと流されて、いい気はしない。両親だ。仲が睦まじい。……。」
「和也のバカ…バカ!?」
「……。」



和也は里菜の家へ。車を停めて、里菜と手を繋ぎ、呼び鈴を鳴らす。里菜はびっくりして、

「和也、
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