約束
口論しようとした私の耳に聞こえてくるのは、プープープーという虚しい機会音だけ。

「ナツ、なんやって??」

「え??あぁ・・・。ただ私に謝っておきたかっただけだって。」

「なんや、それ。」

ハハッと八重歯を見せて笑うタケル。

そんな彼の顔は俗に言うイケメンってやつ。

二重の大きめな目にスッと通った鼻。

金髪のちょっと短めの髪の毛はワックスをつけて、いい感じにはねさせている。

「なぁんか、タケルって悩みなさそうだよね〜。」

ふとそう思った私はなんの躊躇いもなくそう言った。
「え??」

「だって、いっつも元気で明るくて・・・。皆の人気者じゃん??私タケルになりたかったなぁ。そうすれば・・・・。」

こんな悩み抱えないですんだかもしれないのに。
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