約束
「あぁ!!」

俺を見るなり、目を大きく見開いて驚く佐藤カノン。

「お前、何してんの??」

「何って・・・。」

ゆっくり、だけど微妙に早口な彼女からの説明に、俺はまた期待をしてしまった。

俺を探していたって・・・。

心臓が小さく、だけど速く音を刻む。

「ふーん・・・。」

でもコイツにばれたくないの一心で、俺は何ともないような演技をする。

女に期待させたくないっていう変なプライド。

だから俺はいつも、女には冷たい態度をとってしまうんだ。

しばらくしてから声を喉の奥から絞り出すように発した佐藤カノン。

「あのっ。」

「何。」

「こ、これ・・・。」
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