約束
そう言った彼女は、ぎこちない動きで首元のネックレスを見せてきた。

「このネックレスを見て・・・思い出すこと、ない??」

あぁ・・・・。

そのネックレスは紛れも無く、俺の物だった。

星のビーズと月のビーズを交互に入れていたら数が足りなくなって・・・。

右側と左側の最後の部分だけ順番を変えたのを覚えている。

彼女が付けているネックレスは正にその通りだった。

っていうことは・・・・。

コイツが・・・。

あのカノンなのか・・・。

再会の喜びで、俺のテンションは最高潮だった。

だけど・・・。

「・・・・・・。何。そのネックレス。」

また、俺の悪い癖が邪魔をしてきて、思ってもいない言葉を発してしまった。
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