君へ
寝起き





ただカーテンの間から

静かに太陽の光がさしていて

まぶしすぎて
もう一度ふとんの中に顔をいれた。


「…あおい、起きて!!

今日入学式でしょう!?」


「んーあと一時間…」


「まあまだ時間じゃないから

5分たったらおりてきなさい」



お母さんはそう言うと

少し乱暴に扉を閉めた。



あたし、
北浦あおいは今日中学校に入学する。

だから、不安なんだよ。


あたしは好きなひとがいてその人と同じクラスになりたいんだ。

でも
クラスは5クラスあるらしいから

その人と同じクラスになれる確率は1/5だ。


…無理に



決まってるじゃんか。



その人の名前は

大石勇樹っていって

小柄で運動神経抜群のやつ。


それに顔だって
まあまあだから


中学校に行ったら絶対
モテる。


だから
不安なんだよ。


でも期待してだめだとショックだから

期待はしてないけどね。





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