何度でも Lovin' you!~season 1~
優季は胸ぐらを掴んでいた手を離すと、
『私が泣きます…』
その言葉に、
「ふざけるな!」
そう言い返そうと彼女に鋭い視線を浴びせると、
『私、永瀬さんが助かって本当に良かったと思っています。
もし、あなたが手術を拒否したまま亡くなっていたら、私は何故あの時、強引にでも手術を受けさせなかったんだろうと、一生後悔していました。
誰ひとり泣かなくても、私はあなたのために涙を流したと思います』
彼女の魂のこもった言葉に全身の力が抜けた。
俺の中に張り巡らしていた壁が取り払われて、爽やかな風が通り抜けていくように心が軽くなった。
今までの自分があまりにも情けなくて、優季の手を離すと、
「すまない…」
そう詫びることしかできなかった。