何度でも Lovin' you!~season 1~
「ケーキ型とか、随分年期が入ってるよな。アンティーク雑貨みたいだ…」
ケーキ型、ボール、泡立て器…かなり使い込んでいるものに見えた。
『あぁ、これ?お母さんが使っていたものなの。小さい頃、仕事が休みの時によく作ってくれたっけ…』
優季は懐かしそうに言ったけど、
優季は確か…
「ごめん、優季…お前、家族いなかったんだよな?」
聞いてはいけないことを聞いてしまったような気がした。
『そうだけど、父は高校卒業するまで元気だったし…
そりゃ、亡くなった直後は悲しかったし寂しかったけど、看護学校に入ってから今まで、無我夢中で生きてきたから…
やだな〜、そんな親がいないくらいで寂しがるような年じゃないって!!!変な気を遣わないで…』