清水くんはご機嫌ななめ。
清水くんとの日直は何回経験しても、慣れません。

逆に恐怖が増しているような気がするのは、気のせいでしょうか?

二人でいると、動悸が激しくなります。

「失礼しました」

職員室で日誌を提出すると、ホッと一息つく。

今回も乗り切ることが出来ました。

菅沼永里子、16歳、偉業を達成した喜びにガッツポーズ!

「おい、ノロマ!」


……空耳です。
清水くんの毒舌が聞こえるはずがないのです。

「帰るぞ」


……空耳ではないようです。

背後から首根っこを捕まれて、引きずられました。

嫌だー!!という叫びは胸の中にしまっておきます。
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