盲目の天使

「ですが、プロン様。カルレイン様は、母親の身分に問題があります。

その点、私は、前王カシンさまの妹の娘。つまりあなた様のいとこにあたります。

身分的に、何の問題もありませんわ」


ソレイユの言葉どおり、確かにカルレインは、母親の身分が低かった。



・・・だが、カルレインのあの兵士としての技量はぬきんでている。

あれには、利用価値がある。

いいように利用して、母親の身分を理由に、追い落とすことはいつでもできる。



人望の厚いカルレインをプロンは苦々しく思っていたが、

母親の身分という弱みも握っているため、かすかな誇りを保っていられる。


逆に、アルシオンは、身分的には完璧だったが、

生来の大人しい気質で、上に立つものとしての資質には恵まれなかった。


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