盲目の天使
朝、リリティスが目覚めると、オルメは、城の中を散歩してはどうかと提案した。
カルレインの言葉もあり、これからは毎日気晴らしに、散歩するのも良いと思えて、
リリティスは喜んで頷いた。
「まぁ、こんなに素敵な中庭があるなんて・・」
ルシルが感嘆の声を上げる。
そうだった。
ルシルは私に付き添っていて、あまり散歩にも出ていないのだわ。
彼女のためにも、積極的に表に出たほうがいいわね。
リリティスは、ルシルとオルメを供にして、
城の中庭へと足を運んでいた。
城のあちこちに、自然を利用した人工的な庭が、たくさん作られているというオルメの言葉どおり、
そこには噴水や、ベンチなどが配されて、高地に生える木や花などが、所狭しと植わっていた。