盲目の天使
え?妃って・・・。
ようやく意味を理解したリリティスは、カルレインのひざの上で、顔を真っ赤に染め上げる。
その様子を見て、カルレインは、ますますリリティスが愛しく思えてきた。
ただの、政略結婚のつもりだったのだが・・・。
この俺が、9つも年下の娘相手に、こんな気持ちになるとはな。
こみ上げる感情に、あえて名前はつけず、カルレインは、リリティスの頭をゆっくりと撫でた。
「どうする?俺の妃になるのは嫌か?もう一度考え直してもいいぞ」
リリティスの耳元に、わざと息をかけるようにして、低い声でこぼした。