盲目の天使
とたんに、リリティスの体がぴくんとはねて、見る間に、耳までが真っ赤に染まる。
いかにもうぶな、その様子を、カルレインは面白そうに眺めた。
今までに感じたことのない、不思議な感覚。
腕の中にすっぽりと納まる、この小さな存在の、一つ一つの仕草を、
いつまでも飽きることなく眺めていたい。
「い、いえ、あの・・・よろしくお願いいたします・・」
リリティスは、ぎゅっと目を瞑ったまま、消え入りそうな声で、呟いた。
開け放たれた窓から、ふきこんだ穏やかな風が、二人の髪にそっと触れていった。