盲目の天使

優しいアルシオンの言葉に促されて、リリティスは思い切って尋ねてみた。


「アルシオン様は、カルレイン様が行かれた鉱山が、どんなところかご存知ですか?」


オルメの話によれば、カルレインは軍を率いて早朝に出立し、強行軍で目的地を目指すらしい。



危険はないのかしら。

知っていれば、私もお見送りに行ったのに・・。



『朝早いので、リリティス様を起さないようにという、

カルレイン様のご命令がありまして・・』


帰ってきたオルメは、すまなそうにリリティスに頭を下げた。


リリティスは、自分がカルレインに会えなかったことに、

これほど落ち込むとは、思ってもなかった。


胸が、

締め付けられるように、苦しい。






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