盲目の天使
「これは、慣れない国で生活している、あなたを慰めるためのものです。
昨日、大急ぎで、あなたに似合いそうなものを選んだので、
気に入らないかもしれないが。
どうか、返すなどと言わないで、軽い気持ちで受け取ってください」
やわらかい口調ではあったが、アルシオンの言葉には、拒否を許さない強引さがあった。
リリティスは、少し考えた後、あまり遠慮するのも失礼だと思い、受け取ることにした。
「ありがとうございます、アルシオン様」
「呼び捨ててくれといったはずですよ。
そうだ、アルシオンと言いにくければ、シオンと呼んでください」
「シオン、ですか?」
似ていない兄弟だと思っていたが、この強引さには、覚えがあった。
・・カルレイン様。