盲目の天使
カルレインが救援に出発して数日後、カルレインの鷲--ジルが、
城へと舞い戻ってきた。
足には、王にあてた報告書をはさんでいる。
ジルの世話をしている鷹匠(たかじょう)が、その報告書を王へと届けた。
『死者8名、重症者6名、軽症者28名、行方不明者3名。
天井に水が溜まり、岩が落下した様子。復旧には時間が必要。
追加の医師と薬、交代要員の手配をお願いしたい』
その報告書を読んだ王は、深いため息をついた。
大事な鉱山が停止しているのは、かなりの痛手だ。
平地の少ないノルバス国の、重要な産業の一つであるからだ。
大臣たちと相談し、すぐに追加の派遣を決めると、必要な人材と物資を送ることになった。