盲目の天使
明るい部屋の中とは対照的に、暗い顔をした少女が一人、猫のように背中を丸めている。
「はぁ~」
リリティスは意識せず、何度目かのため息をついた。
「リリティス様。近頃ご気分が優れないようですが、大丈夫ですか?」
ルシルが、心配そうにリリティスを見上げる。
「ごめんなさい。私、また、ため息をついてしまったわね」
・・カルレイン様は、どうしていらっしゃるのかしら。
リリティスは、カルレインのことを考えると、夜もあまり熟睡できないでいた。
カルレインのことを、好きだと自覚したものの、
会えないでいることが、こんなにも胸を苦しくすることだとは、思いもしなかった。