盲目の天使
「リリティス様。カルレイン様からリリティス様に、お手紙が届いておりますよ」
いつも冷静なオルメが、少し興奮したように早口で告げる。
とたんに、さっきまでうつむきかげんだったリリティスの顔がぱっと華やいだ。
「本当ですか?なんと書いてあるのです?
オルメ、早く読んでください!」
久しぶりにリリティスの心からの笑顔を見て、ルシルとオルメは目を合わせて微笑んだ。
「お待ちくださいね。今開けますから」
オルメが、かたく結ばれた紙のはしをほどくと、中から淡い桃色の花が転がり落ちた。
「まぁ、まだいい匂いがするわ。摘んだばかりのようよ」
リリティスはその花を受け取ると、すっと通った鼻に近づけて驚いた。